TOKYO ESCALATOR

174 剣菱財閥社長邸

あの一条ゆかり先生の、あの有閑倶楽部です。
尋常ではない金持ちばかりが集まった有閑倶楽部のなかでも、さらに頭ひとつぶんとびぬけた金持ちである、剣菱財閥の自宅ロビー、1-2階部分の巨大な階段ですが、これが「ウィーン」と言って動いています。現実問題としては、手すりが東芝の垂直落下タイプどころではない急角度で垂直落下している(しかし、猫が手すりに乗っていることからして、この手すりは動くことが想定されているようですね、素晴らしいです)、ステップの水平部分が一切ないので乗り降りが至難の業、幅がエスカレーターの法定サイズを超えまくっており大変危険、といった問題がありそうですが、「金持ちの家の限度を超えた馬鹿馬鹿しい調度品」のひとつとしてエスカレーターが使われている例であり、エスカレーターのある種のゴージャスさ、非日常性を実によく捉えた、素晴らしい描写かとおもいます。
そうです、自宅にエスカレーターなんてじつに馬鹿げていますよね。見果てぬ夢です(ため息)。
出典:一条ゆかり(初版発行1982年、デジタル版発行2012年) 『有閑倶楽部 1巻』 集英社(りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

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presented by 東京エスカレーター / CC BY-NC 4.0